#28 KLのアングラポイント バックパッカーブログ

マレーシアの思い出の地を巡りながら当時の思い出に浸りつつもここKLで観光した場所を覚えていなかったのだ。結局、思い出の場所は偶然たどり着いて思い出す以外にはなかったがそれでも十分楽しかった。

チャイナタウンも横浜とは違った雰囲気で多くの観光客やバックパッカー、それにしつこいくらいの呼び込みにも活気があった。

 

前日の仮眠がまずかったらしく、寝付くまでに時間が掛かってしまった。おかげで起きたのは昼を過ぎたころだった。

マレーシアは長期滞在できるので、数日間無駄に過ごしても焦る心配がないから余計にルーズな自分には最適な国かもしれない。

ゲストハウスの共有スペースには1人のゲストがいたので、軽く挨拶でもして腹ごしらえに行くつもりが会話が進む。

自:「やあ、こんにちは。もうご飯は食べたの?」

ゲ:「うん。さっき食べ終わったところだよ。君は食べた?」

自:「これからご飯を食べに行こうと思ってるよ。どこかおススメの場所知ってる?」

ゲ:「中華料理の美味い店があるけど、案内しようか?」

まさか、案内してくれるなんて思わなかったがせっかくなので好意を受けることにする。

名前を忘れてしまったが、彼は27歳のバングラディシュ人。色黒ではなかったが、眉毛やヒゲが濃く特徴的な顔つきをしていた。

彼は3週間ほど、KLで出稼ぎに来ているとのこと。今年だけでもう3度目らしい。

 

そして、おすすめの場所を案内してもらう最中に気になることがあった。

彼はもうご飯を食べ終わってるのに自分が食べる間、待っているのか?それともゲストハウスに戻るのか?

気にはなったものの、何となく直接聞くのは気が引けたのでその場の流れに任せてみることにしようと思っているとほどなくしてチャイナタウンの1本道を外れた場所にやって来た。

ゲ:「ここのラーメンが安くて最高なんだよ」

どうやら一緒に席に着いたので、食べ終わるのを待ってくれるのだろう。感謝の意味も込めてジュースを奢ってあげることにする。

今日のランチはラーメンとチンゲン菜炒めみたいなのをオーダーする。

実際に中国でも、台湾でもラーメンを食べたことがあるが、中華のラーメンは日本にはない味のスープだ。

しかし、どこで食べても深い味でクセになる美味さだ。

麺は4種類から選べて「卵麺」「米粉麺」「平麺」「刀削麺」があり、さらにミックスも可能とのことで、卵麺と平麺のミックスをオーダーしてみた。

さすがにミックス麺はハーモニーというより違和感が勝ったが、スープのお陰で美味しく完食できた。

その間も彼とお決まりの日本文化などを説明したりして話しをしていたのだが、食べ終わったころにいきなり驚きの質問をしてきた。

ゲ:「ところで結婚はしてるの?」

自:「残念ながら、結婚してたらバックパッカーはできないよ」

ゲ:「マレーシアではコールガールに会ったことあるかい?」

自:「えっ、ここはイスラム国家じゃない?そんなのあるの?」

ゲ:「あるも何もこのすぐ近くに何軒もあるんだよ。せっかくだからちょっと見て行かない?」

これには驚いた。昨日はひと通りチャイナタウン近辺を探索したんだがどこを見てもそれらしい建物はなかったはずなんだが。

あまり自慢できる話しではないが、タイとベトナムでは所謂「ゴーゴーバー」を経験しているので多少のことでは珍しさを感じないがイスラム国家というマレーシアでは物珍しさが勝ってしまった。

自:「イスラム国家だし興味はあるねー。見るだけでもいい?」

ゲ:「問題ないよ。時々俺も行ってるから安心していいよ」

そういうと足早に店を出ていく彼が行きよりも軽快に見えたのは気のせいだろうか。

驚くことに、チャイナタウンのすぐ隣にその店はあったのだ。彼曰く全部で5,6軒ほどあるのだという。

入口には椅子に座ったおじさんがいて手だけで入口へ案内していた。

すぐに階段があり、その階段を上がった途端に異様な光景が目に飛び込んできた。

通路を挟んで両サイドにベニヤ板で作られたような板の小部屋がずらりと並んでおり、その小部屋から女性が顔を出して手招きをしているのだ。

あまりの光景に立ち止まってしまったが、彼はそのまま進んでいく。その後すぐに店員らしい男性が自分の背中を押してくるのだ。

最初は異様さにひるんでしまったが、話しを聞くだけでもと思いその扉の前に座っている女性にいろいろ聞いてみる。

中国、ベトナム、インドネシア、インド、バングラディシュといろんな国の女性たちが在籍していた。

しかし、行儀よく質問だけして終わらせてくれない。

どこからそんな力が出るのかというくらいの力で自分の腕を握って魔の部屋に引きずり込もうとしているのだ。

少しだけ部屋が見えたが、部屋には小さいベットが1つあるだけの殺風景な光景だった。俗にいうヤリ部屋だった。

まさかこんな場所でヤルのか?

さすがにそんな図太い神経は持ち合わせていない自分はバングラディシュの彼を強引に捕まえて戻るように説得する。

自:「こんな会話の聞こえる場所でヤルのはごめんだよ。それ以前にさすがに彼女達のルックスもね」

ゲ:「そうか?彼女なんてセクシーじゃないか?日本人なら安い金額だからどうだ?」

自:「問題なのは金額じゃないんだよ。とにかく遠慮しておくよ」

彼的には友達の証に自分のおススメを共有させたかったのだろうが、ちょっと方向性が間違っていた。

こちらは彼と表面的な関係を築こうと思っていたのだが、ディープな方向へ向かっているのは実感できた。

「このままじゃ危ない」

距離を置くために、まずはゲストハウスに戻って別行動しないといけないと思った自分は仮眠をすると言ってゲストハウスに戻ることにした。

ゴーゴーバーがこのマレーシアにあるか聞きたかったけど、これ以上の質問は危険な雰囲気がしたので盛り上がりそうな会話をしないことにした。

やはりどこの国でも同じようなシステムはあるもんだ。まさに需要と供給のバランスというやつだ。

 

しかし、仮眠をすると言った以上はすぐに出ていくのはバレてしまう。仕方なく部屋に戻ってネットでも見ながら時間を潰すことにした。

危険な目に会ってないので特に気にはしていないが、バックパッカーとしての出会いを楽しむのはいいが、浅い付き合いが旅を楽しむポイントだなと実感した。