#23 次なる場所を求めて バックパッカーブログ

勝手に自宅に入ってきてガレージセールを始めだすヨハンナの友達に嫌気を刺しつつも、それ以外の生活では満足できていた。

しかし、フィリピンの滞在可能日数も残りわずかになりだしたので次なる目的地を考える必要が出てきた。

 

写真を撮るとき以外はスマホを見ることがなかったので、ここオロンガポ市では今日が何日なのか何曜日なのか、さらには今何時なのかすら分からなかった。

日本では全く想像すらできないことだ。

TVもないので現地の情報はおろか日本のことだって何も入手していなかったのだ。

ちなみに今レンタルしているコテージにはガスもないし、トイレもない。かろうじて水は手押しポンプを使えば出てくる程度だ。

小さいほうは庭の草むらで済ませて、それ以外は隣の家のトイレを借りる生活を送っている。

そんな不便とも思われる生活に慣れだしたのにもうフィリピンを旅立たないといけないのだ。

 

相変わらずの「ノープラン」だったのでまずは目的地を考えないといけなかった。

実はこの時点で行先は3か国あり、インドネシア、シンガポール、マレーシアが候補となっていた。

島国のフィリピンからはどこへ行くにも飛行機か船しか手段はない。

日本にいるときには船で入国を試みようと思ったのだが、例の試練で辛さを十二分に経験したので飛行機を選ぶことにした。

前の会社でインドネシア人研修生と仲良くなっていてインドネシアの情報も少し聞いていたのだが、ビザを取得しなければいけないらしい。

とにかく面倒臭いことが嫌いな自分はビザがいらない国へ行きたいと思っていた。

残りのシンガポールとマレーシアの2択となる。ここでも例によっていつもの癖が。

マレーシアには現地の友達がいて、数年前から家族ぐるみの付き合いをしていた。今のフィリピンの生活では3人で暮らしているから甘えが出たのだと思う。

本来なら行ったことのないシンガポールを体験してからマレーシアに入国すればよいものの、最初からマレーシアを選んでしまったのだ。

今だから思うけど、この選択は大きな間違いだった。しかし、また今度機会があればシンガポールやインドネシアも旅してみたい。

 

そんな重要な行先だが、本人はものの数分で決定してしまっていたのだ。

善は急げとまずはチケットを手配しないといけないのでヨハンナと街へ向かう。

ネットで手配してもよかったのだが、プリントアウトなどの手間を考えると直接チケット売り場で買った方が安心できるからだ。

何度となく訪れたオロンガポ市内は完全に自分の街のように把握できかけていた。

ほどなくして2人は目的のチケット売り場へ到着した。

自:「マニラからマレーシアのクアラルンプールに行きたいんだけど、片道で料金の安い日はいつ?」

店:「それだと、4月27日で片道4,000ペソよ」

自:「えっ、マレーシアまでたった4,000ペソ?じゃあそれにします」

入店から購入決定までわずか数分であっさりと次の国への日程が決定したのだ。

後から聞いた話しだが、マレーシアにはLCCの「エアアジア」の拠点だったみたいで格安で買うことができた。

そして手続きもスムーズに進み、何の問題もなくチケットを購入することができた。

あとは、オロンガポからマニラへ戻る日程を計画しなければならない。

行きが4時間程度だったので出発当日に戻ってもよかったけど、万が一のことを考えて前日にマニラへ戻ることにした。

もちろん3人で帰ると思っていたがヨハンナからある提案をしてきた。

ヨ:「ユキはマニラが嫌いだから、あなたがよかったら私とユキはあのコテージに住んでてもいい?」

自:「えっ、一緒に戻らないの?でもあの家は1ヶ月レンタルだからまだ残りもあるしいいよ」

ヨ:「でもあなたを見送りたいから2人でマニラへ戻ってから、オロンガポに戻ってくる」

自:「面倒臭くない?無理しなくても1人でもちゃんと行けるから心配しなくてもいいけど」

ヨ:「いいの。私がついていくから」

自:「でも、その間ユキはどうするの?さすがに2日も1人で留守番は無理じゃない?」

ヨ:「友達にお願いするから」

友達というフレーズに怪しさが漂ったが、相手は自分じゃなく同じフィリピン人の子供だ。

さすがに問題はないだろうと思いヨハンナと2人でマニラに戻ることを約束した。

フィリピンに残れる日数は残りわずかだが、何かの縁で出会った2人と最後の想いでのためにも楽しく過ごそうと誓った。

 

思い返せば、行き当たりばったりのなにものでもないフィリピン滞在となっていた。

いろんな場所へ行く予定がサンカルロス市に滞在し、そのまま期限一杯までいるつもりがマニラへ戻ってきてから今度は聞いたこともないオロンガポ市に来るなんて考えてもみなかった。

しかし、こんな偶然の人との出会いも1人旅の醍醐味じゃないかと思うようになっていた。

どうみてもバックパッカーじゃないと思いながらも、別にバックパッカーに正解はないのだし各自が納得して旅をしていればそれが正解なのだと思う。